KACHOU MUTANⅢ
今回のテーマは仙界。錦山窯に代々伝わる不思議な人物の絵柄をアレンジして、新作の蓋付カップの中に組み込みました。大きなツマミと愛らしい形状の取っ手とのミスマッチが、アンバランスで不思議な雰囲気を醸し出しています。絵柄の主役は仙人。空想の世界を、ある時は軽やかに飛翔し、ある時は怪しく蠢く、どこかユーモラスなこの伝説の人々は、現代に蘇り私達に何を語りかけてくれるのでしょうか。今回は、錦山窯の伝統技法だけではなく、古くから伝わる伝統意匠を多くのアーカイブの中から探し出す作業から始めました。ポップな色彩と確かな伝統技法で描かれた、妖しくも愛らしいカップ達は、慌しい現代の生活から逃避し、絵を読み解く面白さと束の間の気分転換をきっともたらしてくれると思います。