錦山窯の当主吉田幸央が、SonyCSLと2年間にわたり共同研究したきた「Tomonami」の紹介動画が、SonyCSLのサイトで上公開されました。
Creativity Acceleration(創造性の加速)の研究からうまれたシステム。
色々な見方があると思いますが、クリエーターにとって非常に興味深い内容を含んでいると思います。
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以下、去年の11月24日の錦山窯のギャラリー嘸旦でプレスリリースした時の、吉田幸央のコメントです。
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優れた伝統工芸作家は、自らが継承し工夫してきた技法の唯一無二のプロフェッショナルです。そして、優れた工芸作品は、常に新しくありたいという創造性と、人間の肉体を研ぎ澄ますことにより得られた伝統技法が、分かりやすく共存し表出された美しい物体なのだと思います。
私達作り手は、その美しい物体を作り上げるため、長い年月をかけ複雑なプロセスを自らの頭脳と肉体で体得し、その特殊能力を持って制作プロセスに没入していくのです。
ところが、その身体能力ゆえに、作品の創作プロセスの自由度を失い、制作活動にイノベーションを起こしにくくなるという問題点を抱えてしまいました。
このソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)アレクシ―・アンドレ研究員との共同研究は、創作者の創造プロセスにおける苦悩を、そのスピードと拡張性によりサポートし新しい次元へ誘うと同時に、作り手のライフスタイルに新たな進化をもたらす今までにない試みであると感じています。
2年間にわたる共同研究の過程で、私はテクノロジーの力を借りて、現実と仮想の間を何度も行き来することになりました。そして、そこには思いのほか深刻なズレが存在することに気づきました。同時に、そのズレの狭間にはさらに新しいクリエイティビティが隠れていることにも気づかされました。
実際、創造プロセスを高速化・拡張する事は、とてもワクワクする体験でありますが、実は制作プロセスはより複雑化し制作時間は膨大となる傾向にあります。研究が進むにつれ、私達は仮想イメージをどうやって現実の制作プロセスに落とし込むかという新たな問題にも直面せざる負えなくなってきたのです。実は、その鍵もテクノロジーの中にあったのです。
私は、アンドレ氏と共同作業を行う中で、今まで以上にテクノロジーの可能性を強く感じるようになりました。私にとってのこの貴重な研究体験は、テクノロジーと伝統工芸の今までにない新しい関係性の始まりであると考えています。
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錦山窯 吉田幸央
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SonyCSL
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